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日本文化への理解過程を示す

日本でも、伝統文化のみならず、ホップカルチャーの分野にもいちはやく関心を向けている。パリでは、高橋留美子の作品などを通してはやくからマンガブームが起こっていたが、デュマは「革新」の一環として、マンガによる社史の作成を積極的にすすめた。「馬に乗れる人、馬が描ける人」という、デュマが示した条件に合致するマンガ家として竹宮恵子が選ばれた。作品『エルメスの道』は1997年に刊行され、エルメスが公刊した唯一の社史となっている。エルメス・ジャポン関係者によれば、社員も入社時にこのマンガを読むのだそうで、文書化された社史はないという。社史どころか文書はすべて回収され、社員教育用の資料なども手元には残らないそうだ。この時期には、日本のホップカルチャー関連分野と積極的に関わりが持たれている。報じられただけでも、人気バンド、アルフィーの依頼により結成20周年記念のスカーフを特別に作ったり、日本人若手アーティストの提案で刀の鞘を作ったりもしている。また、ある大手ゲーム機メーカー関係者によれば、実現はしなかったものの、ゲーム機で遊んだデュマが「これまでに経験したことのない感覚を得た」とコラボレーションを提案してきたという。2001年に銀座に完成したエルメスの旗艦店「メゾンエルメス」オープンの際には、ソニービルとお隣になることを記念し、ソニーの犬型ロボット、アイボ専用のキャリーバッグが作成された(限定1000個で、17万5000円)。これはソニーの出井会長とデュマの話し合いによって実現した企画で、広報誌「エルメスの世界」(2001年第2巻)では次のように未来的なイメージで報じられている。「アイボ、これはソニーが生みの親であるエンターテイメントーロボットの名前。すでに数千人の飼い主が日本にはいる。犬の持ち運びのため、エルメスは布と革でキャリングバッグを作った。ソニーはエルメスのバッグに。AIBOロゴをつけることを許可し、これからも隣人として両社の関係はさらに発展することになる」この号にはソニーも広告を出しているが、アイボの写真に、ソニーとアイボそれぞれのロゴマーク、そして日石とだけ記されたシンプルなものだ。毅然と佇むアイボは現代のサムライのような風情で、いかにも欧米でクローズアップされている「ジャパニーズ・クール」のイメージだ。こうした日本関連の製品は「サムライ」から「アイボ」まで、海外から見た日本イメージを反映するものとしても、また外国人の日本文化への理解過程を示すものとしても興味深い。